インファーネスひみつきち

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神話形成 持論 21年7月

 私の知る限り神話には現象説明能力が有る。現象説明能力とは身の回りの環境(山や川動植物の有様など)や現象(天体の運動、月の満ち欠け洪水など)が何故そうなったのか、そうなるのか又どのようにそうなったのか、そうなるのかを”説明”する能力である。つまり神話はその物語の中にある神話の全ての物語がそうというわけではないが、私の知る限り神話には多かれ少なかれ必ず現象説明能力を有した物語が有る。

 このような神話はどのようにして生まれるのだろうか。人間は日々の生活の中で様々な不可解に出会う。原始的には仲間の死や食糧となる動物や植物の起源があげられ、発展的には自然現象や天体、さらに自我やこの世界の発生の仕組みなどがある。このような不可解に直面した時、思うに人は二つの行動に出る。一つは問題を無視し忘れてしまうことで、もう一つは問題解決を図ることだろう。この問題解決方法は当然簡単にはいかない。しかし厳密な意味での問題解決をするのではなく、ひとまず納得できるそれっぽい説明をするということならできそうだ。このそれっぽい説明が神話の起源となるのだが、ここで重要なのは神話を生み出す者も、生み出される物も一つではないということである。つまり、ある民族の中で偶然的に同じ問い(例えば死について)に不可解を覚えた者が2人以上いて、かつそれぞれが独立に問題解決に取り組んだ時、全く同じそれっぽい説明がなされることは相当に稀なはずだ。この時その民族の中には問いの答えが二つ存在することになるが、そのどちらかもしくは両方を混ぜ合わせたものがその民族の神話の基礎となる。この段階ではまだ「神話」としての形はできておらず口承伝承として民族の間を時間を超えて広がるだろう。

 このような手続きによって様々な問題が解決され「神話の基礎」が溜まってきたところにある優れた詩人の類いが現れ、それを体系的に語る一つの物語として「神話」が誕生する。